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2010.03.10 : 平成22年2月定例会
◯六十三番(渡会克明君)
私は、第十一款教育費第一項教育総務費に関しまして、本県におけるすぐれた教員の確保についてお尋ねをいたします。
今日、学校を取り巻く状況は複雑多様化し、いじめ、不登校、問題行動等の生徒指導を初め、外国人児童生徒への対応、保護者からの理不尽な要求や要望、苦情への対応など、学校現場においてはさまざまな教育課題が山積しており、その解決が早急に求められています。こうした教育課題を解決していくためには、校長先生、教頭先生を中心として、学校全体で具体的な方策を講じて対応していかなければなりません。
子供や保護者等と直接触れ合う教員一人一人の資質、力量に負うところが極めて大きいと考えております。しかし、ここ数年、団塊の世代を中心とした大量退職に伴い、経験豊富なベテランの教員にかわって若い教員がふえています。本県においても、今年度千八百四十五人が採用され、来年度新たに千六百三十人が採用されると伺っております。
学校現場からは、若い教員によって学校全体に活気が出てきたという声が届いていますが、一方で、今日のさまざまな課題に対して、専門的知識や技能はあっても、経験不足や実践力の不足から適切な対応が十分できないのではないかと、このようにも思います。
また、全国的に教員の需要が高まる中、採用試験の倍率の低下とともに質の低下が懸念されています。幸いにも、本県においては、教育委員会のさまざまな御努力により、ここ数年は九千人近くの志願者を確保するとともに、一定の倍率を維持されているわけであります。しかし、採用数が増加すれば、免許を有する者がふえない限り必然的に倍率が低下してまいります。
そうした中、教員養成課程の充実の方策として、民主党がマニフェストで目指す教員養成課程六年制も含め、さまざまな議論がなされております。
ところが、先月の二十七日に行われた福井市内の講演の中で、鈴木文科副大臣は、六年制にこだわらず、四年プラスアルファというように修士課程の期間を柔軟に考える立場に軌道修正をしたという記事が出ておりました。
六年制になれば学費の負担増につながるとともに、教員を養成する大学側にも大きな影響を及ぼし、結果的には多様な人材の確保が困難となったり、志願者が減少するのではないかと大変危惧をしておりました。修正、ありがたいことであります。
また、文科省の調査によりますと、採用から一年に満たない退職者が増加傾向にあり、平成二十年度は、全国で過去最多の三百十五人に上るということが報告されています。そして、そのうち九十三人が病気を理由とした退職であり、報道によりますと、文科省は、イメージと現実とのギャップで自信を喪失し、うつ病などになるケースがある、このようにコメントし、先輩教員らの支えや目配りを求めています。
その一方で、保護者や地域社会では、新規採用教員といえども、ベテランの教員と同様に一人の教員として子供たちの心身の発達や学力の向上、人格形成を初め、今日のさまざまな教育課題に使命感を持って対応できる資質、能力を求めているのも現実であります。
したがいまして、教員の採用に当たっては、幅広い教養と教育に対する使命感を持ち、さまざまな教育課題に対応できる優秀な教員の確保が極めて重要ではないかと考えております。
あわせて、私も常々申し上げている経験豊富なベテラン教員の指導力を生かすという観点から、再任用教員の活用についても、この大量退職、大量採用という時期だからこそ重要であると思っています。
折しも、つい先日まで、バンクーバー冬季オリンピックが開催され、浅田真央選手初め、本県出身の選手の活躍は、県民に大きな感動や夢を与えてくださいました。とりわけ、子供たちへの影響は多大であったと思います。大変うれしいことであり、感謝したいと思います。
さて、いよいよこの次は芸術文化面でぜひ感動を味わわせたいものであります。そうした意味でも、ことし、本県で開催されますトリエンナーレの成功を大いに期待し、応援もしたいと思います。
教員が尽くすべき本分は、他県のマスコミ報道にあるような学校外にその活動の場を求めるのではなく、子供と真正面に向き合うところから始まると思います。私は、教員の役割は、将来を担う子供たちに感動や夢を与えることにあるのではないかと、このように思っております。
そこで、本県の教員採用に対する基本的な考え方と、志が高く質の高い優秀な教員の確保に向けての取り組みについて、これまでの成果を含めて、教育長の御所見をお伺いいたします。
以上です。
◯教育長(今井秀明君)
すぐれた教員の確保につきまして御質問をいただきました。
優秀な教員を数多く確保していくためには、専門的知識や技能はもとより、情熱と使命感を持った教員を人物重視の視点で採用していくことに加えまして、多様な能力や経験を持つ教員を幅広く採用することが大切であると考えております。
このため、まず、人物重視の方策といたしまして、選考に当たり、集団面接、集団討議、個人面接の三回の面接試験を取り入れておりまして、二次試験の面接委員には、県の教育委員でありますとか、市町村の教育長、そのほかPTA関係者など民間からの方々も起用しまして、受験者の資質、能力を多面的に評価しているところでございます。
また、多様な能力や経験を持つ教員の確保の取り組みといたしましては、平成十九年度実施の教員採用選考試験から、民間企業での経験や特定分野におけるすぐれた能力経験を評価する社会人を対象とした選考、あるいはポルトガル語やスペイン語など語学が堪能な方を対象とした選考を導入してまいりました。
その成果でございますが、例えば放送局のキャスターから採用した教員につきましては、その経験と知識を生かし、言葉の大切さなど、子供たちの興味を引き出す授業ができたという報告がございます。また、外国語が堪能なことから教員に採用した教員につきましては、ブラジル人児童生徒の指導のほか、学級通信をポルトガル語で発行したり、家庭訪問や電話応対などに活躍しております。
こうした成果を踏まえまして、本年度実施いたしました教員採用選考試験からは、子供たちに専門的な知識、技能を生かした指導ができ、さらに、自分の経験から夢や希望を語れる人材を確保するため、新たに芸術やスポーツの分野で優秀な成績をおさめた方や、英会話能力にすぐれた方を対象とした多様な選考方法を導入したところでございます。
今後も、選考方法の一層の工夫、改善のほか、他府県や大学における受験説明会等のPR活動の充実を図るとともに、指導力にすぐれた再任用教員も積極的に活用するなど、教員として確かな資質を備えた熱意あふれる人材の確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。