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2010.03.09 : 平成22年2月定例会
◯六十三番(渡会克明君)
私は、歳出第六款健康福祉費第五項障害福祉費、自殺対策について議案質問をいたします。
三月は、自殺対策強化月間とのことであります。自殺のニュースや記事を目にしない日はありません。鉄道への飛び込み自殺や、介護疲れによる高齢者の自殺、学校におけるいじめによる子供の自殺など、自殺に関する報道に接するとき、御家族を初め、残された方々のお気持ちを考えますとやるせない気持ちでいっぱいになります。
警察庁が発表した資料によりますと、昨年、平成二十一年の自殺者数は、全国で三万二千七百五十三人と十二年連続で三万人を上回り、本県においても千六百二十三人で、過去二番目に多いものとなり、交通事故死亡者数の約七倍と極めて深刻な状況が続いています。
自殺の原因や動機はさまざまでありますが、最大の原因とされる健康問題のほか、若者では学業等の問題が、働き盛りの中高年では失業や負債などの経済・生活問題が、また高齢者では長引く介護疲れや将来への不安などが問題にされています。
このように、自殺はさまざまな社会的要因によるものであり、個人の問題としてとらえるのではなく、社会全体で取り組んでいくことが必要であります。
本県においては、平成十九年四月に自殺対策の専門部署であるこころの健康推進室を設けるとともに、二十年三月にはあいち自殺対策総合計画を策定し、さまざまな取り組みを積極的に実施していることは評価をするところであります。さらに、今年度からは、地域自殺対策緊急強化基金を活用した事業も追加され、市町村においても、初めて本格的な対策に取り組むこととなりました。今後は、この基金の有効な活用が望まれるところであります。
そのためには、これまでのような広く一般県民を対象とした啓発中心の事業に加え、自殺の背景を踏まえた、年代別や対象者別のターゲットを絞った対策が、より重要になると考えるものであります。
例えば平成二十年の自殺者を年代別に見ると、七十歳代以上では減少しているものの、三十歳代では増加をしています。昨今の雇用情勢の悪化を反映し、失業や就職失敗などがふえ、今後、こうした要因による自殺がふえていくことが懸念されています。そのため、働き盛り世代、とりわけ失業中の方々に対する心の健康対策について、その取り組みが喫緊の課題であると考えます。
そこでお尋ねをいたしますが、県では、昨年末に県内のハローワークにおいて、心の健康相談を実施されたと聞いております。こうした取り組みを一時的なものにするのではなく、定期的に開催し、失業者の心の健康問題について適切に専門機関につなげていくことが望まれます。今後、どのように取り組まれようとしているのか、お伺いをいたします。
次に、今後さらに力を入れていくべき対策として、自殺により残された御遺族等、自死遺族の方々に対する支援が上げられます。
先日、私の知り合いの息子さんが自殺で亡くなられました。大手企業に就職してわずか十カ月足らず、仕事の悩みによるものだったようであります。御両親にとっては、最愛の息子さんの突然の死、さぞかし無念であったでしょう。お父さんは、どうして防げなかったのか、苦しみをなぜ救ってやれなかったのか、自問自答を繰り返しておられました。お母さんは、御自分を責め、毎日泣き暮らしており、息子さんの死を現実のこととして受け入れられず、精神的にも不安定な状態が続いています。
しかし、お二人はけなげにも、息子さんの死には意味があったと私に話してくださいました。御自分に言い聞かせるようなその言葉に私は胸が痛みました。言いようもないやるせない気持ちにもなりました。
自殺や自殺未遂は本人だけでなく、残された家族や周囲の人々に、大きな悲しみと深刻な影響を与えます。また、多くの場合、近しい人にさえ、みずから遺族であることを明らかにしておらず、悲嘆の中でうつ病など精神疾患を患う可能性も高く、心のケアを初めとする残された人の苦痛を和らげるための支援が求められています。
しかしながら、これまでの自死遺族支援については、自助グループを中心とした民間団体の取り組みが先行してきた経緯があり、今後は、県としても自死遺族支援を自殺対策の大きな柱の一つとして位置づけ、しっかり取り組んでいくことが大切であると考えます。それは、悲劇の連鎖を防ぐという意味からも重要なことであると思われます。
そこでお尋ねをいたしますが、県として、これまで自死遺族を支援していくため、どのような取り組みを行ってきたのか、また、今後どのような取り組みを行おうとしているのか、お伺いをいたします。
以上です。
◯健康福祉部健康担当局長(五十里明君)
自殺対策に関する二点の御質問にお答えをいたします。
まず、失業中の方々に対する心と健康対策についてでございます。
自殺の原因は、さまざまな個人的、社会的な要因が複雑に関係しており、失業や多重債務、倒産、長時間労働などは、心の健康を大きく悪化させる要因でもございます。現下の厳しい経済・雇用情勢の中、今後、自殺者がさらにふえていくことが懸念され、失業されている方々への対応は喫緊の課題であると、そのように認識をいたしております。
本県では、昨年の十一月三十日と年末に、県内のハローワークにおいてワンストップサービスデーに合わせ、保健所職員などによる心の健康相談を実施したところであります。ハローワークにおきますこうした相談につきましては、その周知徹底を図る意味から、引き続き定着させていくことが重要であります。
そのため、来年度でございますが、精神保健福祉士協会や司法書士会などの御協力を得て、心の健康問題や多重債務問題に関する相談を定期的に開催し、失業中の方々の心の健康に対する支援のさらなる強化を図ってまいります。
また、今月の自殺対策強化月間に合わせまして、心の健康相談を初め、労働、経営、多重債務などさまざまな分野の相談窓口を一覧にまとめましたリーフレット「気づいて共に支え合う」、これを十万部作成し、ハローワークを初め、労働基準監督署、市町村などの窓口に配布したところであり、今後とも普及啓発にも一層努めてまいります。
次に、自死遺族の方々に対する支援についてでございます。
自殺対策は、自殺された方だけの問題にとどまらず、大切な人を突然に亡くされて、大きな悲しみの中にある御遺族の方々への支援も極めて重要なことと考えております。
県では、平成二十年七月から、精神保健福祉センターにおきまして、御遺族の方々の深い悲しみやつらさ、健康不安、直面する生活上の諸問題などの相談に応じるために、自死遺族専門相談を始めますとともに、県の保健所におきましても、メンタルヘルス相談の中で自死遺族相談を受けておりまして、今年度は一月までに合わせて二十一件の相談がございました。
また、自死遺族相談は、遺族の方のさまざまな思いに対する深い理解力や自殺についての十分な認識を持つことなど、高い専門性を必要といたしますことから、県の保健所職員に加えまして、市町村や介護支援事業所職員などを含めた、自死遺族相談に関する専門的な研修も実施いたしております。
さらに、今月末には、遺族の方々の自助グループや相談窓口を紹介したリーフレットを名古屋市、民間団体と協働して作成し、医療機関を初め、市町村などに配布する予定でございます。
来年度は、こうした相談事業や人材養成事業に加えまして、自死遺族支援を積極的に行っていただいております民間の二つの団体に対しまして新たに助成を行い、その活動の場の拡大に向けた支援を行うなど、自死遺族支援に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。