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2007.3.5 : 平成19年2月定例会(第3号)

◯五十番(渡会克明君)
 通告に従いまして、順次質問をしてまいります。
 初めに、少子化対策についてお尋ねをいたします。知事は、さきの選挙において、私の約束と題したマニフェストを作成し、今後四年間に取り組む七つの政策の柱のもと、六十の政策を掲げられております。このマニフェストの政策の柱の第一番目には、安心できる健康・福祉社会づくりを挙げられており、また、その具体的な取り組みの第一番目から第三番目までに示されているのが少子化対策に関するものでありました。このことは、知事が少子化対策に重点的に取り組むという姿勢のあらわれであり、我が党が提言している子供の立場に立ったチャイルドファースト社会の構築が反映されるものであり、こうした取り組みを大いに評価しているところであります。県民は、知事が示されましたこのマニフェストにより、今後の県政に夢を抱いたわけでありますから、今度は知事が県民の抱いた夢を実現する番であります。 知事は、マニフェストに示された数多くの取り組みを実現していく責任があるわけであります。この二月定例会に提案されました平成十九年度予算案の内容を拝見いたしますと、マニフェストに掲げられた具体的な取り組み項目の多くが既に計上されております。県民の抱いた夢を直ちに実現しようとする知事の誠実な対応に感服いたしております。 この予算案のうち、少子化対策事業としては、この二月定例会に提案されております少子化対策推進条例の趣旨を社会全体に浸透させ、少子化の流れを変えるという機運を高めるために、推進会議を設置することや県民大会を開催すること、また、市町村や商店などの協力を得て実施する子育て家庭に対する優待事業や地域で子育て家庭を支援するための組織を市町村ごとに設けて、子育て家庭の不安感の解消を図るために行う地域子育て力強化事業、さらには、結婚を希望する若者に出会いの機会の提供などを行う結婚支援事業を実施することなど、マニフェストに沿った内容の事業が新たな取り組みとして盛り込まれているところであります。これらの事業の中で、結婚支援事業については、昨年の九月議会における我が党の米田議員、岩田議員の一般質問において、その必要性を訴えたところであります。結婚に対する価値観は、以前と比較しますとかなり変化してきていることもあり、未婚化、晩婚化が進んでいると思います。しかしながら、国の調査によりますと、独身の若者のうち、およそ九割の方々が結婚する意思を持っているという結果が出ておりますので、結婚する意思を持ちながら結婚できない若者が数多くいるというのが現状であります。このような状況において、知事が結婚支援事業をマニフェストに示され、平成十九年度から直ちに実施されようとしていることは大変意味のあることだと考えております。ただ、事業として実施する以上は効果のあるものとしなければなりません。そこでお尋ねをいたしますが、この結婚支援事業をどのように実施していかれるのか、お伺いをいたします。

 次に、医療人材の確保について質問をいたします。まず、公立病院等で不足している勤務医の確保についてであります。平成十六年四月から、医師の免許を取得した後、二年間の研修を義務づける医師の臨床研修制度が始まってから大学病院の研修医が減りました。これは、研修医がまれな疾病の患者が多く、肺炎などの一般的な症例が少ない大学病院を敬遠して、幅広い症例を数多く診ることのできる大規模病院を研修先として選ぶようになったからだと言われております。そして、医師不足になって困った大学病院が、それまで医師を派遣していた関連病院から医師を引き揚げるといった動きが生じております。また、病院の勤務医が厳しい勤務状況であるという問題があります。病院の勤務医は、連日夜遅くまで診療に追われる上、宿直明けもほとんどの医師が連続して勤務しており、中には六十時間以上続けて勤務したことのある医師もいるとのことであります。勤務医は慢性的な疲労状態にあり、中には、疲れ切って開業医への道を選ぶ方もみえると聞いております。さらに、訴訟の問題もあります。例えば最近も報道がありましたが、出産時の医療事故については裁判で争われることが多く、こうした紛争の多いことが産婦人科医の不足につながっていることも指摘されております。こうした状況の中、私の地元である豊橋市の市民病院も非常に厳しい状況になってまいりました。豊橋市民病院は、ベッド数が九百十、まさに東三河全体の医療を支える中核的な病院でありますが、大学からは、この四月から精神科や小児外科の常勤の医師を引き揚げるとの連絡があったとのことであり、こうしたことは他の地域でも生じております。地域の政策的な医療を担う公立病院が医師不足で大変困っており、早急に対応しなければなりませんが、こうしたことが全国的な課題となっていることから、その解決のためには、国における抜本的な対策が急務であると考えます。先ほど申し上げた出産時の医療事故の関連では、全国知事会などの働きかけもあり、出産に伴う医療事故によって障害などが生じた患者を救済し、紛争を速やかに解決する、いわゆる無過失補償制度の創設に向けた検討が現在国で進められております。しかしながら、そのほかにも、診療報酬の見直しや研修制度の見直しなど、国で対応しなければならないことがまだまだあると思います。一方、県においては、本年度から、地域医療の確保のために医師を病院に紹介するドクターバンクなどを内容とする医師確保対策推進事業を実施していると承知しております。さきの知事選における知事のマニフェストの中には、奨学金制度を将来的に創設することが掲げられておりました。そこでお尋ねをいたします。公立病院などの勤務医不足の状況を受けて、県として今後どのような医師確保対策を考えているのか、お伺いをいたします。

 次に、看護師の確保について質問をいたします。看護師の需要については、在宅医療の拡充などにより、今後も増加する見込みである一方、供給においては、少子化の影響から、看護師養成所からの新卒者数は頭打ちの状況であり、現場は人材不足にあります。また、医療の高度化、専門化により、これまで以上に看護業務が煩雑化、複雑化し、過酷な労働条件にあることから、退職される方が多いと聞いております。また、結婚、出産などを契機に退職された方が職場復帰を目指しても、このような環境では職場復帰は難しいと思われます。さらに、昨年四月の診療報酬改定に伴って創設された手厚い看護師配置基準、いわゆる七対一看護の適用を目指し、一部の大規模病院が新卒者の大量採用を行っていることから、中小病院においては看護師不足が特に深刻となっております。このことは、看護業務が成り立たなくなるばかりではなく、ひいては地域医療の崩壊につながりかねません。このような事態を受け、中央社会保険医療協議会(中医協)では、厚生労働大臣に対し、平成二十年度の診療報酬改定において、七対一看護の見直しを行うことなどを求めた建議書を先月末に提出しております。この中で、中医協は、国に対して看護職員確保対策を積極的に取り組むよう求めております。診療報酬の改定などは国で対応することではありますが、建議書で求められた看護職員確保対策については、県としても対応しなければならないと考えております。一方、資質の高い看護師の養成も必要であります。県は、看護研修センターを平成十五年に設置し、指導者や看護教員の養成に努めておりますが、医療の高度化、専門化に対応するためには、さらなる対応が必要と考えております。そこでお尋ねをいたします。 県では、これまで看護師確保について、養成と資質の向上、普及啓発、再就業の支援と離職防止を柱にさまざまな対策を講じていると聞いておりますが、今後どのような対策を、重点的に実施するおつもりか、お伺いをいたします。また、専門性の高い看護師の養成について、県ではどう取り組むのか、お伺いをいたします。

 質問の最後は、障害者福祉施設における工賃倍増計画について質問をいたします。障害のある方一人一人の人格と個性が尊重され、地域社会の中で持てる能力と特性に応じて、自立した日常生活や社会生活を送ることができるような社会の実現を目指す障害者自立支援法が昨年十月から全面的に施行されました。この法律の理念に基づき、障害のある方々が地域で安心して暮らしていけるようにするためには、グループホームなど住まいの場の充実だけではなく、日中活動の場の確保を初めとする障害のある方々の日常生活を支援するさまざまな仕組みを充実させていく必要があります。その中でも、障害のある方々が自分で働いて得たお金をもとにみずからの生計を立てていくことができるよう、就労面での支援を強化していくことが障害のある方の自立にとって大変重要であると思います。そのためには、まず、一般企業が障害のある方々の雇用に積極的に取り組まなければならないことは言うまでもありません。障害のある方々の中には、その障害ゆえに、直ちに一般企業に就職することが困難な方も多くいらっしゃいます。企業で働くことが難しい方にとって、授産施設や小規模作業所は、就労の場としての役割だけではなく、日常の相談や仲間づくり、さらには地域住民との交流など、さまざま役割を担っております。こうしたことから、障害のある方々が地域社会の一員として、みずから働き、収入を得て、自立した生活を送る上で、授産施設や作業所は大変大きな役割を果たしていると思います。障害のある方がグループホームなどで生活するためには、国のモデル事業によれば、月々十万円程度は必要であるとされております。障害基礎年金二級の方ですと、年金額が月額約六万六千円ですから、あと三万四千円の収入を確保しなければなりません。厚生労働省によれば、工賃月額の全国平均は一万五千円だそうであります。平均額を得ていても、一カ月の必要額にはまだ二万円程度足らないのであります。こうした状況から、障害のある方々や保護者の方々からは、これでは生活していけないなどの切実な不安の声をお聞きいたしております。授産施設や作業所などの施設の中には、利用者に支払う工賃が月額五千円から一万円と平均を大きく下回る水準にあるところもあると聞いております。こうした背景には、今までの授産活動においては、工賃は職業指導の上での副産物であるという考えが強く、目標工賃をきちんと定めて、その達成に向けて、計画的、組織的に取り組むということが必ずしもなされていなかったからではないかと思います。私は、障害のある方々が地域の中で経済的にも自立した生活を実現するためには、授産施設や作業所の充実強化が必要であり、県としても、工賃を引き上げるための対策に直ちに取り組むべきであると考えます。さらに、工賃を引き上げるということは、障害のある方々の生きがいや能力をより高めることにもつながり、一般就労の促進にも役立つと思います。そこで、第一点としてお尋ねをいたします。本県には、さまざまな障害のある方の施設がありますが、授産施設や小規模な作業所など授産活動を行っている施設においては、どのような授産製品を取り扱っているのか、また、支払われている工賃がどのような状況であるのか、まずお伺いをいたします。
 次に、本県においても、全国と同様に工賃が低いものと思われますが、その理由はさまざまにあるのではないかと思います。そこで、第二点としてお尋ねをいたします。授産施設や作業所の工賃が低い状況について、県としてはどのような課題があると考えているのか、お伺いをいたします。
 次に、工賃が少ないということについてさまざまな理由や課題があるとして、これを解決するにはどうしたらよいかということであります。県では、平成十九年度から五年間の工賃倍増計画を策定し、授産施設等の工賃の倍増を目指す工賃倍増推進事業という新規事業を開始すると聞いております。障害のある方々が地域で安定した生活を営むために、県としても、工賃の引き上げには積極的に取り組むべきであると思いますが、重要なのは、各施設が創意工夫や努力をしていくことに対し、県としてさまざまな支援を行っていくのと同時に、本県における製造業を初めとするさまざまな企業集積など、この地域の特性を十分生かした取り組みをすべきであるということであります。そこで、第三点としてお尋ねをいたします。この課題を解決して工賃を引き上げるために、県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをしまして、私の壇上での質問といたします。ありがとうございました。(拍手)



◯健康福祉部長(小島通君)
 まず初めに、少子化対策に係る結婚支援事業についてお答え申し上げます。国が未婚者に対して実施した調査によりますと、約六割の方が異性との交際における悩みを持っており、その悩みといたしましては、周囲に異性がいない、異性の気持ちがよくわからない、自分の意思を相手にどう伝えてよいかわからないなどという回答が多くなっております。一方で、独身の若者の約九割が結婚を希望しているという調査結果も、議員御指摘のようにございます。そこで、結婚を希望しながら出会いの機会が少ないために、または出会いの機会があってもその機会をうまく利用できないために結婚がかなわない若い男女に対しまして、出会いの機会の提供などを行う事業を実施したいと考えております。この事業は、民間事業者やNPOから事業の企画案を提出していただき、最も効果があると思われる企画を提出された事業者に委託いたしまして、実施しようというものでございます。その事業の内容といたしましては、県内の複数の場所で、全体でおおむね四百八十人程度を対象といたしまして、コミュニケーションの方法などの座学とお見合いパーティーを行うことを基本に考えているところでございます。県がこのような事業を行うことによりまして、新たに家庭を築き、子供を生み育てることに夢を持つことができるような機運が社会全体に高まっていくことを期待しているところでございます。

 次に、障害者の工賃倍増計画の推進について、三点の御質問にお答えいたします。まず、本県の授産製品の状況及び工賃の実態についてでございます。授産施設の状況につきましては、毎年度調査を行っておりますが、施設における授産製品につきましては、手提げ袋などの縫製品を初め陶芸品、パン・菓子類、農産物などの自主製品、そして自動車部品等の組み立て、箱詰めや袋詰めなどの受注製品といったものが主なものとなっております。また、授産工賃につきましては、身体、知的、精神の全授産施設における平成十七年度の月額平均を見ますと、一万五千四百五十五円という調査結果が出ておりまして、全国の平均であります約一万五千円とほぼ同じ状況となっております。
 次に、工賃が低い状況についてどのような課題があるのかというお尋ねでございます。一般に、授産施設におきましては、福祉的就労に重点が置かれ、製品の企画や営業、生産管理といった経営に関する意識やノウハウが不足しておりまして、工賃引き上げに対するインセンティブも乏しい状況にあったものと考えております。また、施設の利用者におきましても、就労の向上に対する意識が必ずしも高くないことや、企業、自治体等の発注者サイドにおきましても、授産施設の製品に対して、品質や納期に不安を持っていることなどが挙げられるものと存じます。
 最後に、工賃を引き上げるためにどのように取り組んでいくかとのお尋ねについてでございます。本県におきましては、ただいまお答えいたしましたような工賃の状況や課題に対応いたしますため、平成十九年度に工賃倍増計画を策定し、五年間で現行の工賃水準の倍増を目指すことといたしております。具体的には、製品の市場調査を行って、授産製品の需要や販路の実態を把握いたしますとともに、授産施設に経営ノウハウを有する専門家をアドバイザーとして派遣し、工賃を引き上げるための経営手法や生産工程の改善についてコンサルティングを行ったり、複数の授産施設による共同受注や製品の積極的な広報宣伝活動による業務量の拡大などを図りまして、工賃の倍増を目指してまいりたいと考えております。この工賃倍増計画を着実に推し進め、成果を出してまいりますため、議員お示しのとおり、本県は製造業の盛んな地域でもありますので、地元企業の方の物づくりの知恵をおかりいたしまして、地元ならではの魅力ある製品の開発や販売などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。



◯健康福祉部健康担当局長(五十里明君)
 医療人材の確保についての御質問にお答えをいたします。まず、医師確保対策についてでございます。医師の確保は、県民生活の安心・安全を確保する上で大変重要な課題であると認識をいたしております。したがいまして、今年度から医師不足への対策といたしまして、ドクターバンクの実施、医師確保に関する委員会や講習会の開催、医療現場から離れている医師が職場復帰する際の研修に対する補助を内容といたします医師確保対策推進事業を実施いたしております。これらの事業のうち、ドクターバンクにつきましては、昨年九月に開設をいたしまして、現在までに三名の医師を医療機関に紹介し、採用が決定したところでありまして、今後も一層の周知を図ってまいりたいと考えております。また、来年度におきましては、女性医師一名分の業務を二名で分担する、いわゆるワークシェアリングのモデル事業、これを新たに実施いたしまして、女性医師が継続して働くことのできる勤務環境について、調査、検討してまいりますほか、奨学金制度の創設等につきましても検討してまいります。こうした県としての取り組みと合わせまして、本年度は、知事が全国知事会を代表いたしまして、医師確保対策について国に強く要望を行いました結果、議員御指摘のように、産科における無過失補償制度が来年度創設される予定となるなど、多くの成果を上げたところでございます。今後とも、県としての対策を着実に実施してまいりますとともに、病院勤務医の待遇改善につながるような診療報酬の見直しなど、引き続き国に要望すべき課題もございますことから、機会あるごとに国への働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 次に、看護師の確保についてでございます。今後の看護師確保対策につきましては、新人看護師などの離職防止や県内に三万人程度と推定されます未就業の看護師などに対する再就業支援、これを重点的に実施いたします。具体的には、本県独自の離職防止対策として、今年度から実施しております研修体制の整わない中小病院などを対象とした出張研修、再就業支援策として、看護師の無料就業相談などを行いますナースセンター事業、それと、全国に先駆けて本県が実施いたしております県内での再就業を目指す方を対象といたしました看護職カムバック研修、これらの事業を拡充してまいります。また、資質の高い看護師の養成につきましては、従来から、看護研修センターにおきまして、認知症高齢者の看護など専門性の高い卒後教育を実施しておりますが、さらに、来年度新たにがん患者に対する看護のエキスパートを養成するため、がんセンター中央病院と愛知病院におきまして、臨床実務研修、これを実施するなど、医療の高度化、専門化に対応できる看護師の養成にも力を注いでまいりたいと考えております。




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