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2006.03.08 : 平成18年2月定例会(第7号)
◯五十番(渡会克明君)
私は、歳出第六款健康福祉費第一項健康福祉総務費第五目疾病対策費のうち、新型インフルエンザ対策の推進についてお伺いいたします。
御承知のとおり、インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気であります。人だけでなく、他の動物もインフルエンザウイルスに感染いたします。例えば、カモ、アヒルなどの水鳥を中心とした多くの鳥類も感染いたします。鳥を宿主とするウイルスによって発生するインフルエンザを鳥インフルエンザといいます。その中で、鶏などの飼育している鳥に感染を起こし、病原性が高いために家禽の間で重大な被害を生じる可能性が高い型のウイルスを高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼び、そのウイルスによるインフルエンザを高病原性鳥インフルエンザといいます。
鳥インフルエンザウイルスは、通常人に感染することはありませんけれども、近年、人における高病原性鳥インフルエンザ発症事例が報告されております。これまでタイ、ベトナム、インドネシアなどの東南アジアを中心に百七十三人が発症、九十三人の死亡者が確認されております。これは本年二月二十七日現在であります。
通常インフルエンザウイルスは、例えば人から人へといった同種の間で感染するものであります。しかし、インフルエンザウイルスの性質が変わる、変異することによって、これまで人に感染しなかったインフルエンザウイルスが人へ感染するようになり、そしてさらには人から人へ感染するようになります。この変異したインフルエンザウイルスのことを新型インフルエンザウイルスといい、そのウイルスによって起こるインフルエンザを新型インフルエンザといいます。御案内のとおりであります。
さて、高病原性鳥インフルエンザと新型インフルエンザとの関連は、鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエンザになるには二つの仕組みがあります。一つの仕組みは、鳥インフルエンザウイルスが人や鳥類の体内で変異し、人から人へ感染する新型インフルエンザウイルスになることであります。もう一つの仕組みは、人や豚に人のインフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスが同時に感染し、それぞれがまざり合い、人から人へ感染する新型インフルエンザウイルスになることであります。
現在、この新型インフルエンザの世界的流行の可能性が示唆されております。新型インフルエンザがもし発生した場合、基本的にすべての人々はそのウイルスに対して抵抗力、すなわち免疫でありますけれども、を持たないため、新型インフルエンザは人の間で広範かつ急速に広がると考えられます。さらに、人口の増加や都市への人口集中、飛行機などの高速大量交通機関の発達などから、短期間に地球全体に蔓延すると考えられます。この世界的流行をパンデミックといいます。
我が国では、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、米国の疾病管理センターの計算式に日本を当てはめると、新型インフルエンザが全国的に流行した場合、四分の一が感染すると予想され、また、医療機関を受診する患者数は最大で二千五百万人と推定をされております。ただし、新型インフルエンザウイルスがどのくらい強い感染力を持つかについては現段階ではわかりません。大変に不安なことであります。
そこで、新型インフルエンザの発生及び蔓延防止のために、厚生労働省は昨年十月二十八日に厚生労働大臣を本部長とする新型インフルエンザ対策推進本部を設置し、その対策のために、十一月十四日に「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定しました。
行動計画では、流行の状況を六つのフェーズ──段階とか局面とかいう意味だそうですけれども──に分類し、それぞれに応じた対策を、一つに計画と連携、二つにサーベイランス、監視体制、三つに予防と封じ込め、四つに医療、五つに情報の提供、共有、この五分野に分けて記載しております。
現在はフェーズ3ということで、人への新しい亜型のインフルエンザ感染が確認されているが、人から人への感染は基本的にない、国内非発生の段階と認識されております。フェーズ3における対策の中では、国は都道府県に対して対策本部の設置や指定医療機関の確保などが要請されております。
また、行動計画では、新型インフルエンザパンデミックが発生した場合の対策として、都道府県に対して抗インフルエンザウイルス薬、これを一千五十万人分、国と半分ずつでありますけれども、この備蓄を要請しております。御存じのリン酸オセルタミビル、商品名をタミフルといいます。このタミフルは、スイスの製薬大手ロシュが独占的に製造しており、中国料理に使われる植物のトウシキミの果実である八角を原料としております。慢性的な品不足状態にある上に、天候不順だと原料の確保が難しいとのことであります。
ところが先日、タミフルを植物原料を使わずに石油を原料に化学的に製造する方法を東大の研究グループが開発したとの報道があり、安定供給への道が開かれるかもしれません。心強いことであります。タミフルの確保に向けては、総務省においては所要の地方財政措置を予定していると聞いているところであり、積極的な対応が求められております。
さらには、新型インフルエンザの人から人への感染が起きた場合、予防手段として直ちに使用できるワクチンは現時点ではありませんが、新型インフルエンザのウイルスに対して効果を発揮するワクチンの早期実用化に向けた開発努力が、日本を含め世界の各国で展開されております。速やかな朗報を期待したいところであります。
そこで、以下四点についてお伺いしたいと思います。
第一点は、県は国の対策推進本部の設置や対策行動計画の策定を受け、どのように対応してみえるのか、まずお伺いをいたします。
二点目に、新型インフルエンザの治療には通常のインフルエンザの治療に使用されているタミフルが有効であると言われますけれども、通常のインフルエンザに使用されるタミフルの流通状況と、そして、新型インフルエンザ対策のタミフルの備蓄計画をお示しいただきたいと思います。
三点目、新型インフルエンザが出現する可能性がこれまでになく高まっているとされることから、県民の不安を払拭するためには、早急に県民に予防対策を周知することを目的とした愛知県独自の新型インフルエンザ対応指針、手引きでありますけれども、これを策定し、普及啓発する必要があると考えますけれども、御所見をお伺いいたします。
最後四点目に、正確な情報をいち早くとらえ、対策を講じることが重要であります。国との連携はもちろんのこと、対策実施に関係する庁内部局の役割の分担、関係機関や県民への情報の提供、共有を図るなど、対応などの体制を明確にすること、そして各機関相互の連携の強化を推進すること、これが大切だと考えますが、どのような方法を考えてみえるのかお伺いをして、質問を終わります。
◯健康福祉部理事(五十里明君)
新型インフルエンザ対策に関する御質問のうち、まず、国の対策推進本部の設置や行動計画の策定を受けての県の対応でございます。
国は昨年十一月三十日に全国感染症課長会議を開催し、都道府県に対しまして、十一月十四日に公表した国の行動計画に沿った都道府県版の行動計画の策定、対策本部の設置、そして抗インフルエンザウイルス薬タミフルの備蓄、以上の三項目の要請を行いました。
このことを受けまして、本県は十二月の十九日に知事を本部長とする新型インフルエンザ対策本部を設置するとともに第一回会議を開催し、対策の基本を定めました「愛知県新型インフルエンザ対策行動計画」を策定いたしました。この行動計画の中で、現在、国内では鳥インフルエンザが発生した段階にとどまっておりますが、今後、人から人への感染が発生した場合におきましても、小集団感染から大流行に至るまで、流行の各段階に応じて本県のとるべき対応を定めております。
現時点におきましては、対策本部の設置と行動計画を策定いたしましたことから、抗インフルエンザウイルス薬タミフルの備蓄とともに、患者の治療に当たる医療機関の確保に力を入れているところでございます。
次に、タミフルの通常における流通状況についてでございます。
現在流通しておりますインフルエンザの治療薬に使用されますタミフルは、平成十三年二月から輸入し、販売が始められております。年間の確保量は千二百万人分としておりまして、国内における過去十年間の患者発生数を勘案し、最大規模のインフルエンザの流行にも十分対応できる数量となっております。
また、タミフルの流通状況としましては、昨シーズンは全国で九百八十四万人分が、今シーズンも二月末現在で約七百二十万人分が供給されておりまして、通常のインフルエンザに十分対応できております。
次に、新型インフルエンザ対策のタミフルの備蓄計画についてでございます。
国は、スペイン風邪など過去の大流行を参考に、国内最大で、議員お示しのように、二千五百万人の新型インフルエンザの患者が医療機関を受診すると推計しております。タミフルの備蓄量につきましては、通常の流通在庫から四百万人分を確保し、残りの二千百万人分を今後二年間で国と都道府県で折半し、それぞれ一千五十万人分確保する方針に基づきまして、愛知県は二年間で確保すべき備蓄目標量、これが五十八万八千人分の半分を十八年度当初予算案に計上させていただいております。新型インフルエンザ流行時の対応につきましては、備蓄薬の放出方法、流通経路など詳細に関しまして、現在、国に具体的な内容を明確にするように要望をいたしております。
次に、県民の皆様の不安を払拭するための啓発についてでございます。
新型インフルエンザは現在のところ存在しておらず、未知の部分が多い病気でございますことから、県民の皆様の不安を払拭するための一般的な予防方法や鳥インフルエンザ流行地域への海外渡航の留意事項などさまざまな情報を提供することが重要であると考えております。
今後とも情報不足により県民の皆様に無用な不安を生じさせることのないよう、県の保健所におきましてお問い合わせにお答えするほか、県のホームページや広報媒体などによる迅速かつ適切な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
最後に、体制整備と連携強化についてお答えをいたします。
現在のような新型インフルエンザが発生していない段階では、庁内の連絡会議の開催などによりまして情報の収集と共有化に努めるとともに、国とは患者発生を想定したシミュレーションなどを行うことによりまして連携の強化を図っております。一たん新型インフルエンザが発生した場合には、速やかに対策本部会議、専門家会議を開催し、行動計画に沿った役割分担のもとで関係部局が一体となった対策を進めてまいります。
以上です。