◯二十八番(渡会克明君)
私は、歳出第九款建設費第八項建築費について伺いたいと思います。
日本の地震防災は、長年、災害が起こった後の対策に重点を置いてきたと言われております。しかし、最近、急速にその技術は進み、事前に対策をとれば、かなり被害を抑えられるようになってまいりました。すなわち、予防対策が重要になってきたわけであります。
さて、阪神・淡路大震災においては、死者の約八割が家屋の倒壊や家具の転倒による圧死で亡くなっております。地震による人的被害を軽減するためには、住宅の耐震性の確保が極めて重要であることが改めて明らかになりました。
昭和五十六年以前に建築された木造住宅、いわゆる旧基準木造住宅の壊滅的な被害がとりわけ注目され、全国各地で耐震診断への助成制度が創設されました。本県においても、十の市町が独自の補助制度を開始しております。しかし、これらの制度を利用される方は一向にふえず、必ずしも制度が有効に活用されているとは言えません。
私は、これらの経緯を踏まえながらも、東海地震、東南海地震に対する最近の状況変化等を勘案して、本県が平成十四年度予算において無料の耐震診断補助制度の創設に至ったものと考えております。
そこで、まず、今回の耐震診断や補助事業の意義をどう考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
次に、報道によれば、無料耐震診断をうたって住宅を調査し、危険な住宅であるとして過剰な、あるいは不必要とも思われる改修工事を施工し、高額な改修工事費を請求する事例が、本県、特に静岡県境に近い東三河に集中しているそうであります。
県消費生活センターによりますと、住宅の耐震工事をめぐるトラブルは、今年度一月末現在で六十三件と急増をしております。そのうち二十九件が東三河での相談でありました。業者は地元以外から営業に来るケースが目立つと言われております。これは、東海地震の予測震度の見直しによる県民の地震に対する不安につけ込む商法の一種だと思われます。
今回、県が無料診断を実施するという情報に便乗しまして、これからもこの種のトラブルの増加が懸念されるところであります。特に、高齢者への迅速な対策が急務であると思われます。
そこで、質問の第二は、この事業に際して、県民がトラブルに巻き込まれないための啓発を今後どのように行っていかれるのか、お尋ねを申し上げます。
さて、耐震診断は耐震化促進策の第一歩であり、この補助事業を創設されたことは、私も一定の評価をするところであります。しかし、耐震診断が行われましても、それに続く耐震改修が行われない限り、当然ながら、耐震化がなされたということにはならないわけであります。今までの事例を見ましても、耐震診断の結果、地震に対して倒壊のおそれがあるという判定結果が出ても、そのことで直ちに耐震改修が大きく進むわけではありません。そこには、県民の危機意識の低さに加え、改修工事費が高い、改修方法がわからない、住宅ローン金利の低下から、急な改修工事に金をかけるよりも建てかえの方がよいのではないか、このような迷い等々、さまざまな理由があると思われます。
そこで、質問の第三ですが、今回の耐震診断補助事業を耐震改修につなげるために、県としてはどのような策を講じるつもりなのか、お尋ねいたします。
あわせて、横浜市、静岡県など先進自治体では、耐震改修補助への独自の取り組みが始まっております。このような施策について本県はどのように考えておられるか、まずお伺いをいたします。
◯建設部理事(鈴木真生君)
まず、耐震診断補助事業の意義についてでございますけれども、住宅の所有者にとりまして地震に対する自宅の状況というものを知っておかなければ、いざ地震が発生したときにどのような対応をとるべきかの準備すらできないわけでございます。したがいまして、まず、耐震診断によりまして自宅の正確な危険度というものを把握していただくことは、県民の防災に対する備えとして、これはこれで大いに意義あることと考えております。
なお、私どもも、耐震診断が耐震改修につながっていくことがもちろん最も重要なことであると考えておりますので、今回の事業は耐震改修促進の第一歩とも考えております。
次に、県民がトラブルに巻き込まれないための啓発に関するお尋ねでございますけれども、これに対しましては、地震に対する備えでございますとか、あるいは耐震診断に関する普及啓発活動をこれから展開するわけでございますので、その一環といたしまして、御指摘のような商法に関する情報、対処方法、注意点や、それら民間の耐震診断と市町村の実施する耐震診断との違いなどを説明するパンフレットを作成配布いたしまして、またあわせてインターネットのホームページなども活用しながら周知に努めていきたいと考えております。
これら啓発活動につきましては、消費者保護の観点から、関係機関とも連携しつつ、本事業の推進に当たって混乱の生じないよう努めてまいりたいと考えております。
次に、耐震診断をそれじゃどうやって耐震改修につなげていくのかという方策についてのお尋ねでございますけれども、改修方法の研究調査や良好な改修事例の収集を行って改修マニュアルを作成する、あるいは建築関係団体に改修相談窓口を設けることを働きかける、こういうことを積み重ねまして耐震改修につなげていきたいと考えております。
なお、現在、本県におきましては、安全で快適な家づくり利子補給事業の中で耐震改修、耐震補強工事への利子補給による助成を実施いたしておりますので、引き続きこの普及に努めてまいります。
最後に、先進自治体で行われている耐震改修補助への取り組みについてのお尋ねでございますけれども、この耐震改修補助につきましては、個人資産への税の投入、あるいは、仮にやるとした場合、補助する対象、補助による効果など、議論すべき問題多々ございまして、今後の検討課題であると考えております。
◯二十八番(渡会克明君)
御答弁をいただきました。耐震改修への補助は今後への検討課題だと、こういう趣旨の御答弁だと思いますけれども、非常にお金もかかることでありますし、しかし、いろんな意味でのきっかけにはなっていこうかと思います。
国土交通省は二〇〇二年度に、民間主導の耐震工事の促進を図るために、住宅の耐震改修費の一部を補助する制度を創設します。これは予算の概要に載っておりますけれども、住宅密集地は都市防災の最大の弱点であり、個人所有の住宅であっても、災害に遭うと火事の通り道になったり、倒壊して消防車の進入を邪魔したり、消火・避難・救助活動の妨げとなる。さまざまな問題が出てくるということで、個人住宅といっても公共性があるわけで、特に道路沿いの住宅などは、地区全体の防災性を向上する観点から、改修が必要との判断をしたわけです。このように言っておりました。
ただ、これは対象が一部の限定された地域ではあります。確かにそういった地域ではあります。しかし、国が住宅の耐震改修に公費を入れると表明したということは、私は非常に画期的なことだろうと思います。
知事は、何度もきょうお話に出ておりますけれども、予算編成に当たりまして「安心」をテーマに取り組まれて、本予算を組んだように承知をしております。ぜひともですね、今回、このときに、時は必ずあると思います。このときにぜひとも安い耐震改修工事費を目指した、例えば技術開発ですとか、また、工夫したり利用しやすい耐震改修への補助制度を早急に創設することを強く知事に要望いたしまして、質問を終わります。
以上です。
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